執事の仕事机をのっとるモカお嬢さま💕

モカお嬢さまに執事とし雇われてから10日が過ぎ、お嬢さまの好みや癖などもだいぶ把握できるようになりました。お嬢さまもすっかり住環境にも慣れ、なんの躊躇もなく、1階と2階を行き来しています。

執事はモカお嬢さまのお世話以外も、しなければならないことがあるのですが、仕事机に座ろうとすると、先回りされてお嬢さまが椅子にお座りになられております。

仕方がないので、執事は床に座り込む羽目になり、お仕事ができません。あまりに長くお座りになられるときは、私の膝にお座りしていただきます。

しかし、モカお嬢さまは、私の顔の近くに来たいようで、だんだん胸から肩へと伸びあがってくるのです。これは特別追加料金は頂かず、肩のあたりでのお座りを楽しんでもらっています。

しばらくすると、今度はキーボードの上、ノートパソコンの上、マウスの上、スクリーンの前などにお座りになられるので、執事は「なでなでサービス」を施しながら、同時に「テクノロジーサービス」も楽しんでいただいてます。

これは大変高度なサービスで、執事は左手でモカお嬢さまをなでなでし、右手でマウスを動かし、ツイッター、You Tubeなどを楽しんで頂くという、極上サービスでございます。

わたしも生きている間に、そんな素晴らしいサービスを受けたいと思いますが、モカお嬢さまにでも生まれ変わらない限り、無理難題と言えましょう。

わたしが執事業務外の時間帯に、「全日本フィギュアスケート選手権」を動画で見ておりましたら、膝の上でくつろいでいたモカお嬢さまが、羽生結弦選手の演技に釘付けになり、スクリーンの前に駆け寄り、ガン見状態になってしまいました。

以前、同じ仲間のお猫さま動画やちょろちょろ動く鳥の動画をご覧いただいたのですが、フィギュアスケートほど一生懸命にご覧になることはありませんでした。

そんな、美しいフィギュアスケートが好きなモカお嬢さまですが、時々、お嬢さまとは思えない豹変ぶりに、執事は恐怖を覚えることがございます。

それはおもちゃなので遊んでいる時なのですが、突然、気が狂ったように、走り回ったり、自分のしっぽを追っかけまわしたり、挙動不審な動きで駆け回るのです。ハビー執事は、その状況を「サイコパス・モカ」と呼んでおります。

ただ、しばらくすると、我に返ったように、いつものモカお嬢さまに戻るのですが。「サイコパス・モカ」に変身した時には、われわれ執事はそっと身を隠して、いつものスイートなモカお嬢さまに戻るのをじっと待つのでございます。

われわれ執事は高齢者なので、あまりショッキングなモカお嬢さまを見ると、心臓発作を起こしかねないので、そのあたりはどうかよろしくお手柔らかにと思う今日この頃でございます。

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